資格取得がキャリア満足度に与える影響
Abstract
本研究は、過去5年以内に資格を取得した社会人300名を対象にインターネットアンケート調査を実施し、資格取得がキャリア満足度に与える影響を定量的に検証したものである。調査では、資格取得前後のキャリア満足度(仕事内容、収入、将来展望、スキルへの自信、総合満足度の5項目)を5段階リッカート尺度で測定し、対応のあるt検定により変化の有意性を分析した。その結果、全5項目において統計的に有意な向上が確認された(いずれもp < .001)。特に「スキルへの自信」の効果量が最も大きく(Cohen's d=0.85)、次いで「総合的な満足度」(d=0.67)、「将来展望への満足度」(d=0.45)の順であった。取得動機別の分析では、独立・開業を動機とする群が最も高い満足度(平均3.86)を示し、明確な目的意識を持つ場合に満足度が高まる傾向が確認された。また、資格取得後にキャリア変化があった群は変化なし群と比較して総合満足度が有意に高く(3.68 vs 3.19、d=0.59)、取得後の行動が満足度に寄与することが示唆された。一方、資格の種類(国家・公的・民間)による満足度の差は小さく、種類よりも取得目的や活用方法が満足度を左右する要因であると考えられる。総合評価では83.0%が「取得して良かった」と回答しており、資格取得は適切な目的と計画のもとで取り組むことでキャリア満足度の向上に寄与する有力な手段であることが示された。
Keywords
資格取得,キャリア満足度,自己効力感,リカレント教育